「おはぎ」と「ぼたもち」について
おはぎとぼたもち、さてこの両者どういう違いがあるのか?実際の話としてどちらとも同じもので、形態的には全く変わりないといえます。
しかしながら、春に食べるものを「ぼたもち」といい、秋に食べるものを「おはぎ」といういいかたもあります。これは日本の食文化の中で自然の恵みを受けたものを食する場合にその食べ物に季節感を感じる呼び名を用いるということがあります。
この場合ですと、春の花である「牡丹」からぼたもちといわれるようになり、秋には「萩」の花から「おはぎ」といわれるようになったようです。
ぼたもちの由来
「ぼた」は農家のことばで(粗悪な屑米)を意味し、農家の人たちの間食用として「ぼた」を使って作ったという説もあります。
おはぎ・ぼたもちの起源
江戸時代の元禄期の書物には「おはぎ」について次のように書かれています。
「民家の食にて貴人の食するは希なり。江戸杉折には詰め難く、晴れなる客には出し難し。」
このように、おはぎやぼたもちは民間の素朴な和菓子として食べられていたことがよく分かります。
現代のおはぎ事情
現在私たちがよく食べているおはぎはどうでしょう。粒あん・こしあん・黄粉・海苔・ごま、といった種類が代表的なものとして食べられています。本来家庭でできる素朴なお菓子だったはずですが、最近ではそれすらなかなか作られないようになって、和菓子店で買って食べるのが一般化してしまいました。
また、おはぎの素材を見てみると、もち米は当然として、あんに用いられる小豆の効用が注目されてきています。以前はあんに含まれる糖質についてのデメリットだけがクローズアップされていましたが、砂糖に変わる優れたオリゴ糖やトレハロースなどの体にとって良い作用をもたらす糖質が開発されて、和菓子を食べるメリットすらおおいにうたわれています。また食物繊維を多量に含むので、腸に対する有用性も分かってきました。
その他でも黄粉は大豆でしょう。海苔はミネラルが一杯でしょう。ごまはビタミンE
カルシウムが一杯でしょう。これだけ見直されてくると、もっと食べられても良いでしょうね。
お彼岸のお供え
お彼岸の入りの日までには、ご家庭の仏壇もきれいに整えて、新しい花を活けてお団子や饅頭、おはぎを供えます。
お彼岸とは何でしょうか?
彼岸とはサンスクリット語で「パーラーミータ」(波羅蜜多)に由来し「到彼岸」と訳されてきました。つまり「彼岸」は悟りの世界をいいます。これに対して私たちが生きているこの迷いの世界を、「此岸」といいます。仏教では西方浄土といわれることばがあり、西に極楽があると考えられています。この時期にご先祖様をご供養することは、こころの持ちようで私たちも彼岸に達することができる最も可能性の高い時期だと言うことができるでしょう。
平成14年春のお彼岸
・3月18日〜3月24日までの一週間
3月18日・・・お彼岸の入り
3月21日・・・お彼岸のお中日(春分の日)
3月24日・・・お彼岸のあけ
暑さ寒さも彼岸までと言われるように、四季の変化がはっきりしている日本では、この時期新しい季節を感じる、大変過ごしやすい気候となっています。
お彼岸の期間は、春は春分の日、秋は秋分の日、つまり昼と夜の時間が全く同じ時間となり、太陽が真東から上がり真西に沈む、この日を中心にして、前後の3日間を加えた一週間が彼岸にあたります。その初日が彼岸の入りといわれ、また最終日が、彼岸のあけといわれているのです。
お彼岸とおはぎ